Word, Excel, PowerPoint (Microsoft Officeファイル) は、SharePointやTeamsを使うことによって、同時編集や共有ができて非常に便利なものです。
しかし、いつも行き着く問題「バージョン管理をどうするか?」
この記事では、SharePointのバージョン管理機能のメジャー・マイナーバージョンの設定をうまく使ってMicrosoft Officeファイルのバージョン管理をする方法を紹介します。
どうする?Officeファイルのバージョン管理
今やほとんどの会社でなくてはならないはずのMicrosoft Office。バージョン管理に対する認識や経験値によって考え方が異なるため、いい塩梅の運用になかなか悩むところです。
バージョン管理?SharePointで共有できるんだからいいじゃん。共同編集もできるし。
アクセス性という観点ではいいけど、正式版に手を加えてしまう可能性も。
「あれ?このファイルってリリース版だったの?色々書いちゃったよ〜。」ってなりそう。
あと、"バージョン管理ソフトの導入"なんて言っても浸透しにくそうだなぁ。
バージョン管理ソフトにバイナリファイルを一緒に入れてほしくないんだけど!
気持ちはわかるけど、社内で使っている資料のほとんどってOfficeファイルですよね。
Officeファイルの使用を無くそうとするのは、現実的ではないからなぁ・・・
Officeファイルの共同編集機能はかなり便利なものです。これを制限するようなバージョン管理方法はよくなさそうです。また、バージョン管理ソフトへの理解の有無に関わらず、バージョン管理ソフトでの運用への移行についても問題が多そうです。
理想的には以下のような少し柔らかめのバージョン管理が理想的な気がします。
- 共同編集を使ってワイワイガヤガヤやれることは残したい。そのときは編集用のバージョンを使う。こちらは厳密なバージョン管理はしなくても良い
- リリース版とそうでないものの区別ができるようにしたい。また、閲覧・編集も区別したい。
SharePointのバージョン管理機能を使おう
Officeファイル向けにはSharePointのバージョン管理機能を工夫することで上記のようなことが目指せそうです。ここからはそれ解説をしていきます。
SharePointのバージョン管理設定については以下をご参照ください。
また、チェックイン/アウトについては以下をご参照ください。
バージョン管理設定:【Point】メジャーとマイナーバージョンを設定する
バージョン設定のポイントはメジャーとマイナーバージョンを設定することです。
- バージョン設定でバージョン管理をする設定をする。このとき、メジャーとマイナーバージョンを作成する。(数字は任意)
- ドキュメントを編集する前に必ずチェックアウトをするは"いいえ"。理由はアプリで開くと読み取り専用になって、環境によってはチェックイン/アウトがうまくいかない場合があるため。
運用方法
この設定をすれば以下のような運用方法が可能です。
- 最新版に対する共同編集や下書きはマイナーバージョンを上げていく。チェックアウト/インは必須ではない。コメントを残したければする。
- リリース版はメジャーバージョンを上げる。こちらはチェックアウト/インを必須とするルールにする。といっても、メジャーバージョンを上げる際はチェックインが必要になるため必然的にそうなる。これにより、意図を持ってリリース版であることを定義する。
これにより、外向きにはメジャーバージョンでリリース版を配布。チームなどの内々のレベルではマイナーバージョンを使ってワイワイ共同編集ということを両立することができます。バージョン管理といっても、管理を強くしばりすぎることなく、SharePointの共同編集機能を活かしながら柔軟な運用ができるということです。
また、Microsoftの説明としては以下とされています。つまり、SharePointおよびドキュメントへのアクセス権の工夫により、メジャーバージョンのみを閲覧できるか、マイナーバージョンを閲覧・編集できるかをコントロールできそうですね。
メジャーバージョンとマイナーバージョンでは、読み取りアクセス許可を持つすべてのユーザーが、ドキュメントのメジャーバージョンを表示できます。 マイナーバージョンを表示できるユーザーを指定することもできます。 通常、アイテムの編集権限を持つユーザーに対して、マイナーバージョンを表示したり操作したりする権限を付与することをお勧めします。また、読み取り権限を持つユーザーに対して、メジャーバージョンのみの表示を制限することをお勧めします。
Microsoft|SharePoint でドキュメントのバージョン管理、コンテンツ承認、チェックアウトコントロールを計画する
まとめ
Microsoft365の特徴である共同編集機能を活かしながらバージョン管理する方法を紹介しました。
運用方法でマイナーバージョンのチェックイン/アウトは必須にしないと書きましたが、ここが意外とポイントになってくるかなと思います。
大事なのは、"いつ、だれが編集したかがいつでもわかる状態"にすることであります。こちらについては、チェックイン/アウトを強制しなくてもできるはずです。その上で、"何を”がチェックイン時のコメントになります。こちらについては運用していくに従ってそれが便利だと思ってくれる人が増えるはずなので、流れに任せるでも全然良いかなと思います。
これでファイルに日付をつける管理をする人が減ってくれれば・・・。
ファイルの日付管理って書類を横に広げていくイメージで、バージョン管理は書類を上に重ねていって、いつでも好きなtころを取り出せるってイメージなんですよね。その感覚が共有できればなぁ。